第10回 民謡Grooveライブコンサート

2022年11月25日に民謡Grooveバンドの結成初公演から数えて、第10回の民謡Grooveライブ・コンサートが昨日(2025年11月30日)横浜のKing’s Barにて開催されました。昼の部と夜の部の二部構成で、会場は開演前から期待感溢れる雰囲気で開演を待ち望んでいる空気が充満していました。


バンドリーダーのかたぎり聡先生のご登場で大きな拍手。ご挨拶とミュージシャンを招き入れるドラミングに次々とミュージシャンのご登場でステージに並ぶまで拍手、拍手、拍手!

武花千草先生より心温まる感謝のご挨拶とこの度のライブのテーマについてお話がありましたが、日本の伝統文化に深く根差している民謡という日本人のDNAに刷り込まれている音楽は、知っている人も、初めて聴く人にも日本人の郷愁を呼び起こす「あぁ日本人だ~」感を醸成する不思議な魅力を持っていますが、どの様にそれを表現して伝えることができるか、回を重ねるたびに腐心されている、というお話は、これから聴き入る心の準備ができている会場の人たちには感動的な導入部分となりました。


今回の第1セットは、過去のライブで紹介したことのない初めての唄を中心にご紹介する事として、場所(県)に拘らないという事でした。

曲目は、道南盆唄(北海道)、黒田節(福岡県)、いもがらぼくと(宮崎県)、ちゃぐちゃぐ馬コ(岩手県)、磯原節(茨城県)、鹿児島おはら節(鹿児島県)、北千島女工節(北海道)。それぞれの唄の背景のご説明がありましたが、黒田節は、黒田家の家臣である母里太兵衛が、福島正則の屋敷で酒豪比べに挑み、家宝の槍「日本号」を手に入れたという逸話をもとにしたもので、日本の武士らしい豪快な逸話として痛快な話であり、また、北千島女工節は北海道の根室地方や千島列島(北方四島)に伝わる民謡で、遠く故郷を離れて出稼ぎに来た女性たち(女工さん)が、過酷な労働の中で互いを励まし合った様子や望郷の念を歌い継いだもの、とのことです。


民謡は、士農工商のあらゆる人たちのごく普通な日常のありきたりの事柄や作業唄、楽しいこと、辛いこと、悲しいこと、嬉しいことなど、その時々の気持ちの発露を唄にして家族や周りの人々に伝え、伝わり、全国に広がり、やがて日本の民謡となったという歴史が窺われます。


第1セットが終了し、第2セットまでのインターミッションの間の会場の中は、第1セットの盛り上がりがそのままあちこちで話題として話し合われていました。


第2セットの開演です。ドラマーのかたぎり聡先生より第2セットのテーマのご案内があり、青森県の民謡を民謡Grooveのアレンジとしてお届けするとのお話がありました。

武花千草先生から青森県の民謡についてお話があり、小山竜浩師匠よりそのテーマは「情熱青森」とのご案内がありました。

ここで、千草先生より会場にお越しの公益財団法人日本伝統文化振興財団理事長 市橋雄二様よりご挨拶を頂戴したいとのお声に市橋様より10回公演のお祝いのお言葉を頂戴致しました。従来の民謡という枠に拘らないながらも民謡というコアの部分をそのままに、民謡Grooveスタイルとして人の心に訴えかける活動を高く評価するという有難いお言葉を頂戴致しました。関係者一同大変に有難く、嬉しいお言葉として感謝申し上げます。


第2セットの始まりです。

第2セットには三味線奏者としてアメリカ・オレゴン州・ポートランドから演奏のために来日して下さった小山浩鳥(ことり)さんが参加します。浩鳥さんは津軽三味線の演奏家のほかにポートランドでは和太鼓のTAKOHACHI https://www.youtube.com/@TAKOHACHIPDX/videos の主宰者であり、篠笛の奏者でもあります。また、Kotori Japanese Music https://www.youtube.com/@KotoriJapaneseMusic/videos をYouTubeで活動状況を紹介しており、InstagramやFacebookへの投稿もされています。

情熱青森の曲目は、津軽囃子、津軽木挽き唄、津軽甚句、黒石よされ節、虎丈さま、津軽ワイハ節、鯵ヶ沢甚句、津軽あいや節でした。第1セットと同様にそれぞれの唄について千草先生より簡潔な解説がありましたので、第1セットの曲と第2セットの青森の曲の違いなどが分かりやすく面白い構成でした。

第2セットの最後の曲の津軽あいや節は、前奏の三味線とドラムのアレンジがジャズ系で民謡どっぷりの人には新たなあいや節の印象を与えたと思うほどでした。千草先生の伸びやかで澄んだ力強く訴えるような唄声が、会場の人たちには身動きを与えないほどの感動の様子で、鳴りやまない大きな拍手がそれを物語っていました。

やがて拍手はアンコールの手拍子に変わり、口々に「アンコール」の合唱!

アンコール曲は南部俵積み唄。会場は宴会状態の大盛り上がりの手拍子の嵐!

余韻を残して記念の全員の集団写真撮影などシャッター音のあちこちを耳にしながらのお開きになりました。

唄:武花千草
津軽三味線:小山竜浩、小山浩鳥
尺八・篠笛:三枝寿童
鳴り物・お囃子:梶原実乃梨
ドラム:かたぎり聡(民謡Grooveリーダー)

第11回目のライブ・コンサートは2026年の春とのこと。

楽しみにしていま~す!

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